2005年度 三年生 予防と健康管理 大槻レポートないしは感想文
2005.4.30記
今年度は,NHKスペシャルで2004年秋に放映された「不信の連鎖 水俣病は終わらない」を予防と健康管理の最初の授業(4/5)に見てもらって,そのレポートないしは感想文を4/30〆切で
e-mail にて提出してもらった。
この放送は
さて,学生諸子は,種々のレポートを提出してれました。感謝します。
そして,ここに全員分を閲覧できるように完全 at random にリンクしておきますので,特に,学生諸子,自分のを探しながら同級生がどのようなレポートなり感想を提出しているかを,検討してみてください。
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さて,レポートとしてちゃんと調べてきてくれた人,あるいは,少々簡略に提出してくれた学生さんと,まちまちですね。
今回の映像には,非常にいろんな立場のひとたちが出てきます。また,水俣病の説明ということで,過去の歴史的な映像も組み込まれてました。それも含めると,本当に多くの人たちです。
冒頭は,関西水俣病訴訟の原告の患者さんたち,そして,その支援者,支援の弁護士,対応する環境省の官僚・・・・。
また,医師としても,当然,官僚や弁護側,支援者の中に入る可能性もありますし,歴史的には,この奇病の病態の解明を行った先生方,そして,その際に医師であり保健所なりで勤める立場から防止策を企画したにも拘らず,認められなかった先生,そして,水俣病が水俣病となった後,行政が患者を認定するということになった時,認定基準を策定せざるを得なくなった医師,あるいは,自らも患者群と同じように住まい暮らし食しているが故に,自らも有機水銀中毒症となってしまった医師と,その息子として,現在も尚,患者達の,補償の額の問題ではなく,その症状の苦しみを「水俣病患者である」と認めてほしい,という切なる想いがために,奔走し,あるいは苦悩し,それでも,診療し続ける医師 ・・・・・等々。
加えて,患者の中でも,初期の重篤例,そして,その子として,かつ自らも患者として原告団に立つ人,あるいは,認定が開始され,症状が補償と結びつくようになると,いろんな思惑が乱れに乱れた時代もあったであろうし,その中で,比較的軽症(軽症か重症かというのは,重症の症例があってこその軽症であり,そのご本人にとっては,自らの苦痛が最も重症であり,他人との比較は意味を成さない)の患者たちの診断/認定基準とのせめぎあい,等々 そして,今でも原告として高齢にも拘らず,闘争に身を委ねる人々。
さて,学生諸子は,このような種々の立場の人が,この「水俣病」というキーワードの周辺あるいは只中で,何を想い,何を感じ,何を考え,どこへ進もうとしているのか,あるいは,どこから逃げようとしているのか,そういったことに,是非,想いを寄せてください。加えて,もう社会人,単なる「患者さんが可哀想だから,国は全額,補償すれば良い」というだけの感想では,やはり,現実は見えてきません。そのような考え方だけでは,どのような患者さんとも対峙出来なくなっちゃうと思います。では,その時に,どうすれば良いのか?
今回の映像は,本当に考えさせられる,いろんな立場で,人は何をどう考えるのか,ということを,強く考えさせられるものでした。
学生の皆さん,是非とも,出てきたすべての立場の人は,例え,自分の考え方とは異なっていても,そのように考えて行動しているのだなぁと,思いを馳せ,その心の動きをちゃんと理解していくような鍛錬をしてみてください。
今回,そうやっていろいろと考えてくれればOKで,答えも正しい感想文もありません。
しかし,残念乍,ここに言及してくれたレポートは殆ど皆無でした。社会医学を学んでいる時には,時事の報道あるいはニュースというものにも,是非,アンテナを張り巡らせて置いてください。